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 わんぱくキャンプも今年で17回を終わりました。わんぱくキャンプを始めた年に生まれた子ももう高校生になるわけですし、最初に参加した6年生は、27,8になるわけです。後3回すれば20回になるのですね。考えてみれば、最初に参加したわんぱくたちの子どもたちの世代が参加し始めているのですね。
 第一回目、宮雅彦さんをコーディネーターとして、スタッフ11名、参加者60名、一泊二日で仙養が原において、このわんぱくキャンプが始まりました。しかし翌年には、宮さんが病気のために、わんぱくキャンプをどうしようかと言うことになりました。そこで、川上が、コーディネーターを引き受けることにしました。このときすでにドラマキャンプの思いはあったのですが、まだ準備段階と言うことで、2回目は通常のキャンプを行いました。3回目になっていよいよドラマキャンプが始まりました。このとき大蛇を作ってくれたのが神原さん、そして、善養院をやってくれたのが大ちゃんこと大津勝さんでした。さらに、第三回目になると神原さんが邪神を作ってくれました。以後、邪神と善養院をメインキャラとしてドラマは作られ行きました。
 この17回の間にはいろいろなことがありました。雨もふることもあれば、台風が来たこともありました。そして今年も二回目の台風の中でのキャンプとなりました。今、私の職場で、しかも今年は隣の席にわんぱくに参加した子の親がいるのですが、その子がさいしょの台風の時に参加してくれた子どもでした。そして、「あの台風の時のキャンプは、わすれられんよね」という話をしていました。しかし、今年また台風の中のキャンプになるとは思ってもいませんでした。この台風の中でのキャンプを子どもたちはどのように感じ、どのような経験をしながら過ごしてくれたのでしょうか。スタッフとしては、すでに一度台風の経験があったので、それほどあわてることはありませんでした。でも、さいしょの時とちがったのは、携帯電話の発達で、常に台風情報を入れながら活動を進めていったことです。
 さて話は変わりますが、私たちとともにこのわんぱくキャンプを作ってくれた大ちゃんが亡くなりました。川上、柿本、宮本そして、大津さんで準備段階から相談に乗ってもらいながらこのわんぱくキャンプを作り上げてきましたが、もう大ちゃんに相談することができないのかと思うととっても寂しく不安です。大ちゃんの偉大さ、すばらしさを今改めて感じています。大ちゃん、あなたの子どもたちを愛する心、自然を愛する心、あなたの生き方を引き継いで、わんぱくキャンプはこれからも歩んでいきます。大ちゃん「本当にありがとう」
 
2004年8月31日 まろ
 
宮本雅行  もや
未来の自分に残したい言葉や約束 今を生きる、悔いの無い今を生きる
思い出作文
 第17回わんぱくキャンプは、台風を乗り越えて楽しく終了しました。「ピンチはチャンス」だと思います。自然の与えてくれた本物の試練は、わんぱくたちを本気にさせてくれました。予定したハイキングはできませんでしたが、わんぱくたちの気持ちはしっかりと一つにまとまり、虫を手がかりに自然との関係をしっかり考えてもらえたと思います。
 今年のわんぱくキャンプは、特別の思いの中でのキャンプでした。17回目のわんぱくキャンプの歴史の中でとりわけ重要な役割を担ってきた大津勝さん(大ちゃん)が、キャンプの始まる少し前、7月17日に亡くなられたのです。実は昨年第16回のわんぱくキャンプにも不参加でした。体調不良のため参加してもらうことができ無かったのです。今年こそはと思っていましたが、叶わぬ夢となってしまいました。
 わんぱくキャンプがはっきりとドラマキャンプを意識するようになったのは、第3回わんぱくキャンプ「仙養ヶ原伝説」からでした。このとき仙養ヶ原のあたりに実在した伝説の善養院(実はお坊さん)にヒントを得て、私たちの善養院が生まれました。本来は僧侶であるはずの善養院を、大ちゃんは仙人風のコスチュームで表現して、わんぱくキャンプの善養院を創造してしまいました。以後、ドラマのシチュエーションが変わっても、ドラマの展開点やまとめの場面で、善養院が出現するようになりました。「みんなののアイドル善養院」の力は絶大だったからです。その素顔を仮面の下に隠す善養院は、その格好をすれば誰でも演じることができたはずでしたが、他の顔を隠したキャラクターと違い、余人が演じることはありませんでした。他の人では、善養院のキャラクターを演じきることができなかったのです。わんぱくたちは、そんな善養院は誰がなっているのか知りたがりました。履き物だったり、腕時計のデザインを手がかりに、大ちゃんを予測し迫ったわんぱくたちもたくさんいたものです。それでも、半信半疑のわんぱくたちを、素顔の大ちゃんは、独特の話術で煙に巻くのでした。あの素敵なキャラクターを、もう見ることができないのかと思うと残念でなりません。
 ドラマキャンプでは、毎回結末をどうするのか(なるのか)が、難問です。基本ストーリーはひらめきの天才−川上(まろ)さん−が毎回作り上げます。それにどのように肉付けをし、ふくらまして行くのかを考えるのが大津さんと私の役割でした。基本ストーリーを読み込み、他のスタッフ意見やわんぱくたちの反応を見ながら、納得のいく結末を作り上げてゆきました。毎夜その日のプログラムを振り返り、次の日の展開を煮詰めてゆきます。昨年も今年もそこに大ちゃんの姿がありませんでした。どうしようかとスタッフ会議で相談しながら、つくづく強力なメンバーを失ってしまったと実感します。それでも、大ちゃんの子どもたちへの思いや自然への思いを、これからのわんぱくキャンプに生かしてゆきたいと思います。