2−9.アイデア開発の方法
 
A.発想の技法
 
ブレーンストーミング(BS)法
                        アレックス・F・オズボーン発案
 
 全く制約のないリラックスした状態の中で、自由に空想や連想を出しながら自由奔放にアイデアを出す方法です。
【やり方】
1.グループを作り、司会と記録を決めます。
2.テーマを示します。
3.アイデアを発表します。
 ア.出たものに批判や反対を絶対しない。
 イ.質より量。多ければ多いほどよい。
 ウ.自由奔放、こっけい、奇抜なものがよい。
 エ.他人に便乗、組み合わせたり、分割したり。
4.書き出します。
 ア.意味の分かりにくいものは分かるように。
 イ.抽象的なものは具体的に。
 ウ.同じものは、一方を消します。
 エ.整理中、思いついたら書き加えます。
5.KJ法などの技法を使ってまとめます。
 
M.B.S.法
 
 BS法に工夫を加え、アイデアに対して質疑応答や批判をする方法です。
【やり方】
1.各自アイデアを考え、メモ用紙に記入します。
2.順次発表。
3.発表を聞いて新しいアイデアを記入します。
4.順次発表。
5.アイデアが尽きるまで、発表→アイデア記入を繰り返します。
6.出したアイデアの背景や内容を説明します。(全員の共通理解をもつ)
7.アイデアに対して、質疑や応答をし、とことん論議をたたかわします。
  ・おおいに批判してよい。どんなに批判されても抹殺されることはない。
  ・意見は建設的に。
8.討論の間に出た新しいアイデアを付け加えます。

マッピング技法
 
 ニューロン回路(脳の神経回路)に似たパターンを用いることで脳を解放し、思いついた考え、ひらめき、情報、経験などをマップ(地図)を描くように書きとめ、関連づけをし構成していくことで新しいアイデアを生み出します。
【やり方】
1.第1フェイズ アイデアの生成
 @ 中央にトピックを書き、図形で囲みます。
・取り組もうとしている事柄、状況、本質、核心をつく。
・1語か2語で簡単にまとめる。
・名詞か動詞で力強く表現する。(イメージでもよい)
・囲む図形は、だ円、円、長方形等。発想や連想を刺激、誘発する工夫を施す。
 A サブトピックを決め、トピックの周囲に配置する。
・トピックの事柄、状況、問題を、構成する要素に分割する。
・各要素は、分析、評価に適切なものを選ぶ。
・名詞か動詞を使い、1語か2語で表現する。
・だ円や、長方形で囲んだり、アンダーラインを引く等の効果の上がる工夫をする。
 B サブトピックをトリガー(引き金)として、次々とキーワードを派生させ連結線  で結ぶ。
・キーワードは、1語か2語、又は短いフレーズで表す。
・キーワードは、評価や判断を加えないで書く。
・1語に2、3分以上かけず、短時間で一気に作成する。
・キーワードとキーワードは連結線で結ぶ。
・順番や構成は気にしないで書き進める。
・思いつくことはすべて書きつくす。
・行き詰まったら、トピックに戻り再スタートする。
2.第2フェイズ グループ化と構成
 C サブトピックに順位をつけます。
 D グループ分けをします。
 一つ一つのキーワードに目を向け、サブトピックに関連、適合するものだけ選びます。そのとき、他のサブトピックのグループにも目を通し、取りこめるものはないか検討します。
 E グループ内の不要なキーワードには×印をつけ、除外する。
*他のグループに加えられないか検討します。
 F キーワード同士、関連するものが他のグループにあれば矢印で結ぶ。
 G 新しいキーワードが出てくれば付け加える。
 H それぞれのキーワードを順位づけ、各グループ内の重要度を明確化する。
3.第3フェイズ 文章化
 @ 第2フェイズの構成にしたがって、箇条書きで文章化します。
 


SNマトリックス
 
 マトリックスの縦軸と横軸の要素を掛け合わせて、アイデアを続々出していく方法です。
【やり方】
1.テーマを設定します。
2.マトリックス表を作成します。
3.テーマに対するシーズ(機能)を縦軸に、横軸にはニーズ(要求)を設定します。
4.シーズとニーズを掛け合わせたマス目を眺めてアイデアを出します。
5.出てきたアイデアをどんどんカードに記入していきます。
6.記入済みのカードをマトリックス表に貼り付けます。
7.たまったアイデアの中から、
 ・原理的に不可能なもの ・モラルに反するもの ・高度すぎるもの ・危険なもの
 などのいくつかのマイナス要因を外し、実現可能なものを選定していきます。


A.M.A法
 
 緊張からし緩、し緩から緊張へ移り変わるときにアイデアが出やすい性質を利用する方法です。
【やり方】
1.自由にアイデアを出します。3分間
2.個々に黙って考えます。5分間
3.自由にアイデアを出します。3分間
4.個々に黙って考えます。5分間
5.これを繰り返していきます。
 
キーワード・カード法
 
 キーワードを使ってアイデアを発展させる方法です。
【やり方】
1.キーワードを見せます。
・目的と関連ありそうなもの、イメージが豊富で発展性のあるもの、発見、発言のしやすいもの。
2.キーワードを元に思いついたことを発表します。
・他の人はそれをメモします。
3.発言が止まったら、つぎのキーワードを提示し、思いついたことを発表します。
4.これを繰り返し、メモカードを増やしていきます。
5.メモカードを目標達成の中でどう関係があるか、強制連結で結び付けたり、カード同士を結び付けます。


NM−T法
 テーマに対していきなり答えを求めないで、回り道思考をすることによってアイデアを求める方法です。
【やり方】
1.グループを作り、リーダーを決めます。
2.具体的な形のテーマを出します。
3.テーマからキーワード(KW)を考えます。/2〜3個
・テーマの本質、構成要素を表す抽象的な言葉。
・動詞または形容詞で。
4.QA「キーワードから何を思い出すか」/Aデーター2〜5個
・直感的に頭に浮かんだことでよい。
・生活用具、社会の出来事、動植物、人体、自然現象、お話し、マンガ、歌など
・名詞で。略画にしてもよい。
5.QB「どうなっているのか、何をしているのか、何を思わせるのか」
    /Bデーター2〜10個
・Aデーターの構造的機能的要素や連想的要素からとらえます。
6.QC「Bデーターはテーマの解決に何を示唆しているのか」
    /Cデーター1〜10個
・Bデーターをカギとして、テーマの解決方法を考えます。
・構造機能の転用、こじつけ、三段論法、BとC、CとCの組み合わせなどから出してもよい。
7.CデーターをT−KJ法や花火などの技法を使ってまとめます。


連想・類推法
 
【連想】
 連想を自由に広げ、つないでいくことによって、アイデアを出していきます。
接近連想……時間的、空間的に身近な事柄、状況を連想します。(例;雪とスキー)
反対連想……反対の考え、性質のものを連想します。(例;山と海)
類似連想……似通った性質の事柄、状況を連想します。(例;桜と梅)
【類比】
 一見関係無さそうなもの同士の間に共通点を見つけ、結び付けることで、新しいアイデアを発想します。
直接類比………類似した事柄、状況、形、性質、機能のものを結び付けます。
       (例;鳥と飛行機)
主観的類比……自分がそのものになったつもりで考えます。(例;私が鳥だったら) 
象徴的類比……イメージが似通ったもの、言葉やシンボリックなものの持つ意味からアイデアを出します。(例;はとと平和)
 
チェックリスト法
 偏った見方、考え方から自動的に視点を変えられる技法です。
【チェックリスト法】
 チェックリスト法では、現在あるアイデアを次のようなチェックリストに照らし合わせて考えていきます。
・他の利用法は          ・代用すると  
・応用すると           ・アレンジすると
・修正すると           ・逆さにすると 
・大きくすると          ・組み合わせると
・小さくすると
【キュービング】
 6つの異なる視点が、キーワードの形で立体的に示され、イメージが強く発想も容易です。
・記述せよ            ・分析せよ  
 (色は、形は、サイズは)     (各部はどうなってる、何でできてる)
・比較せよ            ・応用せよ  
 (何と似てるか、どこが違うか)  (何に使える、どうすれば応用できる)
・連想せよ            ・賛否を論じよ
 (身近なもの、反対、にたもの)  (賛成する点は、反対する点は、理由は)



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