2−11.プログラムを組み立てます
 
 集められた情報やアイデアを分類し統合して、新しい価値を生み出すと共に、それらを組み合わせて一つの実行可能なプログラムにします。
 
プログラム作成上の留意点
 
・ドラマキャンプの目的が達成できるようにプログラムを組みます。
・ストーリーの流れを生かすようにします。
・それぞれの活動のもつ特性、心を大切にします。
・その場所の環境や自然を活用して、そこでなければできないものを優先します。
・参加者の特性(年齢・性別・体力・興味関心・経験・持ち味)を考慮します。
・期間、場所、予算、スタッフの人数や能力を考慮します。
・天候を考慮し、雨天時のプログラムや臨機応変の処置が取れるようにします。
・安全面の配慮、対策、指導をします。
・プログラムは詰め過ぎないで、余裕をもちます。
・参加者の欲求、興味を配慮し、新しい体験や感動が得られるプログラムを考えます。
・プログラムにリズムを持たせ、休憩時間・睡眠時間の配慮をします。
【睡眠時間】
6〜 8才(11時間)9〜11才(10時間)12〜14才(9時間)15〜17才(8.5時間)18才以上( 8時間)

 
プログラム作成の手順
 
 ドラマキャンプのプログラム作成に当たっては、生活面と行事面の活動から考えていきます。
1.生活面の活動
 まず最初に考えておかなければならないことは、生活上必要とされる活動です。
 ・起床、洗面、清掃、食事、休息、就寝、テント設営、撤収など。
2.行事面の活動
 @ 儀式的な活動を考えます。
 A メインとなる活動を考えます。
 B メインへもっていくための活動とメインの後の活動を考えます。
3.日程表を組む
 生活面と行事面の活動が決まったら、次に”時間帯”と”組み合わせ”を検討します。
・時間帯…………始める時刻と活動に必要な時間から、終わりの時間を決めます。
・組み合わせ……メインの活動を中心に、他の活動の特性を考慮して考えます。
*生活面と行事面の組み合わせと流れに気を配ることが大切です。

ストーリーに沿って
 
 ドラマキャンプにおいて大切なことは、ストーリーに沿って活動をつないでいくことです。ストーリーに合うように活動内容を変えたり、活動に合わせてストーリーを手直しします。
 
プログラムの公式
ドカンとぶつけ、感動させ、参加者を引き付けるもの
起(導入)
ひっぱる
遊び心を起こして(日常生活を忘れる)、やる気を誘うもの
リーダーがひっぱって、メンバー間の交流を理屈抜きで心を開かせ、全員の和作りを進めるもの
承(展開)
ゆるめる
声を出させる、肌をふれあう、相手を見させる、交わりを強くするもの
メンバーの個性を引き出し、輝く(メンバーを認める)もの
転(変化)
まかせる
グループのチームワークを育てるもの
主体的に盛り上がる(メンバーの持ち味を活用する)もの、テーマに迫り、感動するもの
・思い切った展開 ・いいものの再現
結(終結)
まとめる
全員の交流を進め、心を一つにして連帯感を高めるもの
活動の意義を確認するもの、明日に向かう方向を出させ、意欲と希望を膨らませるもの
すべてを束ね、感動をかみしめ、次回を期待させるもの

 
プログラムの波

グループワークからのプログラム

人間交流の手順
1.ラポート作り(人間関係作り) 集まった人間同士やリーダーとメンバーの共通点を見つけ合い、関係作りをします。
2.交歓(歓びの交流)  心の壁をしだいに破り、人間関係を深めます。
 ふれる(肌の交流)………………………ふれあいが心を開きます。
 見つめる(あなたとの交流)……………深い交流の始まりです。
 当てる(あなたを知る)…………………心を交流していきます。
 まねる(あなたのようになりたい)……あなたとならば何でもできる世界です。
3.集団活動(共にする) 集団の中で、もっと深い人間関係を作ります。
 連合(同じものを出し合う)……………見てる人を応援団にします。
 協同(持ち味を出し合う)………………持ち味を出し合い、異質の協力をします。
4.一体(一体感を持つ) 同じことをしながら、心を一つにします。

わんぱくキャンプのプログラム
 
 プログラム組み立てに当たっては、わんぱくキャンプの目的が達成できるようにストーリーに沿って組み立てていきます。場合によっては、活動に合わせてストーリーを作ることもあります。
 マンネリ化しないように、新しい活動や新しい展開法に挑戦し、子ども達もスタッフも楽しくなるプログラム作成に心がけます。
 
【プログラムの組み立て方】 
 
1.受付直後の活動
 受付直後は、「さあ、これからわんぱくキャンプが始まるよ」という雰囲気作りをするために、『開村式』を行います。この時点からドラマが始まり、キャラクターが登場してドラマの世界の説明や導入、次の活動への呼びかけなどを行います。
・ 開村式に引き続いて、子ども達の不安な心を取り除き仲間となじませるために、ゲームや歌を中心とした『仲間作りのつどい』を行う場合もあります。
 
2.最初の班活動
 開村式を終わった後は、各自の荷物をテントに運び、テントの中や周辺で自己紹介や簡単なゲームなどをカウンセラーの支援で班毎で行います。
・ 午前中から始まっている場合は、この班活動の中に昼食(お弁当)を入れます。
 
3.食事
@ 最初の夕食
 食事の作り方を学ぶことを目的にします。
・ 調味料以外の材料は同じにして、各班で献立を考えます。
A 2日目からの食事
 自分たちの力で食事を作ります。このときにいろいろな課題を与えます。
・ 言葉を使わないで食事を作る。薪を自分たちで集める。水にぬれた薪に火をつける。 水を自分たちでくんでくる。限られた材料で食事を作るなど。
 ● 朝食や昼食……あまり手間と時間をかけない献立にします。昼食の場合は弁当を作ったり、行事面の活動の中に組み込むこともあります。
 ● 夕食……………屋台方式にしたり、コンテストにしたり、パーティー形式にしたり、それぞれの班で工夫させ、メインの活動の一つとします。
B 最終日の朝食
 あまり手間と時間をかけないで、食器や道具の後片付けまで済ませます。
C 最終日の昼食
 昼食がある場合は、お弁当にして後片付けをしなくてもいいようにします。
 
4.1日目午後からの活動
 ストーリーに沿って、わんぱくキャンプの目的を達成するために色々な活動を行います。新しい活動を取り入れるのもここが中心となります。
・仲間作りのために……………イニシアティブゲーム、グループワークトレーニング、協力ゲーム、トロプスなど
・自然とふれあうために………ネイチャーゲーム、自然観察、史跡探訪など
・創造性を発揮するために……クラフト、創作活動、スタンツなど
・周辺環境を知るために………追跡ハイクや課題ハイクなどの各種ハイキング、ウォークラリー、グリーンアドベンチャー、探検、地図作りなど
・楽しく遊ぶために……………お祭り、朝のつどい、野外ゲーム、ドラマゲームなど
・主体性を伸ばし休息のために……フリータイム、班での遊び、昼寝
 
5.夜の活動
・キャンプファイヤー……キャンプのすべてを束ねて行います。
・夜と友達になる…………夜のネイチャーゲーム、ナイトハイキング、星空観察など。
・今日の反省………………班の中で今日の活動を反省したり、話をします。
 
6.閉村式前の活動
・作文…………子ども達の感想を知るためと、記録集の原稿として作文を書きます。
・後片付け……感謝と思い出を残すのみ。
・サイン会……知り合った仲間との心をつなぐために。
・記念写真……楽しかった思いでの記念として。また、記録のために。
 
7.閉村式
 いよいよ別れのときです。わんぱくキャンプで得たものをこれからの生活の中へ持って帰ります。。
ドラマキャンププログラムの例;

 1日目
時刻プログラムストーリーの題
13:30
14:00
14:30
15:00
16:00
19:00
21:00
受付
開村式
荷物整理
イニシアティブゲーム
夕食作り
ナイトハイク
就寝
わんぱく集合
インデアンの願い
わんぱく村始まり
聖なる水を求めて
楽しい夕食
地図を探しに
明日のために
2日目
6:30
7:00
9:00
12:00
13:00
17:00
19:30
21:30
朝のつどい
朝食作り
課題ハイク
昼食 
クラフト他
屋台式会食
キャンプファイヤー
就寝
わんぱくたちの朝

善養院のもとへ

お祭り準備
わんぱく村のお祭り
聖なる火にパワーを
お休みなさい
3日目
6:30
9:30
12:30
15:00
16:00
朝食、片付け
ネイチャーゲーム
昼食、作文
閉村式
解散
別れの日
自然と友達
最後の活動
新たなる旅立ち
また会うときまで

 



前のページへホームページへこの章の目次へ次のページへ