4−1.運営とは
 
 運営とは、企画し準備してきたことを現場の状況にあわせて、実際の活動に具現していくことです。どんなによい企画でも、運営の仕方ひとつで楽しくなったりつまらないものになってしまったりします。
 
よい運営の条件
 
@ スタッフや参加者などの持ち味が生かされ、班活動や役割活動が盛んに行われます
A スタッフも参加者も喜んで積極的に活動します。
B 状況に応じて適切に活動の変更が行われます。            
C 参加者が新しい状況やプログラムに興味を示し意欲的です。      
D 困難だと思われる活動に進んで参加します。             
E お互いに協力しあいます。                     
F 生活にけじめがあり、相手を思いやり、楽しい雰囲気があります。   
G コミュニケーションがスムーズで、意見や質問・感想などがよくでます。
H 必要な用具や資材などが適切な時期に準備されます。         
 
運営のポイント
 
@ プログラムを固定的にとらえないで、柔軟な対応をします。
A 目的を正しく理解し、「なぜ、これをやるのか」を考えます。
B 参加者の心理的状況に応じて、支援します。
C 天候や状況の変化、参加者の行動を予測して対応します。
D キャンプ生活を早く軌道に乗せ、リズムをもった進行をします。
 
雨のときどうするか
 
 雨が降ってもキャンプは可能です。むしろ、雨による困難や障害をはねかえし、創造的なプログラムを作り上げ、感動的なプログラムになります。
 
【雨のプログラムのポイント】 
 雨が降ってもぜひやりたいもの
 すべての活動が可能です。中でも、オリエンテーリングやウォークラリー、キャンプファイヤーなどのメインとなる活動、玉の汗を流す活動はぜひやりたいものです。
 テント内で
 単に外でやるものの代わりをするというのではなく、テント内ゲームやグループワークトレーニング、歌など人間関係を深めるものをやります。
 全員又はグループで
 ゲームや歌、室内スポーツなど仲間作りにつなげます。
 グループ又は個人で
 絵画、詩作、クラフト、新聞作り……など創造力アップを。
 キャンプファイヤー
 ぜひ実施したいプログラムです。ただし、生火ですから雨や風の状況によっては屋根のある場所でのキャンドルサービスになります。この場合にも安易に人工の光を使わずに、数本のメインキャンドルの明かりだけでも可能です。
 野外炊事
 屋根がある炊事場であれば、雨には関係なく可能です。屋根がない場合にも、応急的な屋根を作るとか、雨の中で火を焚くとか、濡れないようにいかに食事をするかなどスリリングな展開にチャレンジしましょう。
 
【雨の問題点】
@ 雨に濡れると体感温度が低下します。
A 雨のときは気分が沈んだり、不安になりがちです。
B 視界が悪くなります。
C 衣服が濡れると動きにくくなります。
D 転倒や転落などの事故が起こりやすくなります。
E 活動が遅くなり、計画が遅れがちになります。
F 着るものがなくなってきます。
G 河川が増水や氾濫したり、地盤が緩み落石や土砂崩れ、泥流の発生などの危険な状態 が出てきます。
H 生活水が汚れる場合があります。
I 装備を無くしてしまうことがあります。
 
【雨に対する対応】
@ 雨に濡れること自体には問題はありませんが、そのままほっておくと体温が下がって 風邪を引きます。そこで、テントや室内に入ったときは、しっかり体をふき着替ます。 それでも寒ければ、毛布にくるまったり、炊事場で火を焚いて暖をとります。
A 雨の中での活動は体力を消耗します。十分な休息と、時には室内での活動、入浴など も計画しましょう。
B しっかりした雨具(レインコート)や長靴を用意しておくことは、雨に濡れないだけ でなく心理的にも余裕ができます。
C 反対に、雨は濡れるものと割り切ってみましょう。いっそのこと水着を着てみたら?!  心に余裕をもって明るくすることが一番です。
D 雨が降れば、火は燃えにくくなりますし、視界は悪くなり、地面は滑りやすくなりま す。こういったことを配慮したうえでプログラムを実施し、安全に留意して状況に応じ た展開をします。
E 危険が予想される所にはスタッフを配置したり、コースを外すなどの対応をします。



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