7−2.ゲーム創作教室
 
 ゲーム(遊び)は、自分たちで創造して行く世界です。ゲームを行う場面を考えてみると、一回一回対象や場所・雰囲気が違い、そのつどいにあったゲームが必要となります。 また、ゲームを創作することは、創造性を育てるとともに、生活全般にわたって新しいものの見方や考え方を培い、より新しい自己の創造へとつながっていきます。
 
ゲーム作りの流れ
 
@ プランニング……場面にあったゲーム創作のプランを立てます。
A 創作の必要性の発見……目的に合わせ、満足できない点を抜き出します。
B 問題点の明確化……何が必要かを明確にし、必要なことを満たす条件を求めます。 
C ゲームの試作……ゲームを創ります。
    元のゲーム 少し変化してみる さらに変化を積み重ねる 応用、発展へと
    つなげる 斬新で、ユニークな新しいゲームができる。
D 実施 評価……できたゲームを実施し、不足な点を探します。
E 修正・改良……より良いゲームに改良します。
F 実施 評価……さらにより良いものを求めます。
 
ゲームの条件
 
@ 楽しいもの。
A 簡単にでき、安全、健康的であるもの。
B 夢があり、教育的なもの。
C 創造的なもの。
D 応用がきき、飽きがこないもの。
E 対象をよくつかんだもの。
 
ゲーム作りのポイント
 
@ 創ろうという意欲を持ちます。
 より目的にあったゲームはないか。より自分の願いが伝えられるゲームはないか。より楽しいゲームはないか。必要は発見の母です。常に願いを持つことが大切です。
A ゲームとは何かをよく知ろう。
 ゲームを創るためには、ゲームの本質、ゲームを構成する要素をつかむことが必要です。そのためには、現在あるゲームを研究します。
B ゲーム作りのテクニックを知ろう。
 ゲーム作りのテクニックを知ることで、より効果的にゲームを創ることができます。
 
 
ゲームの構成要素
 
  人間の行為+条件(用具、場所、人数、隊形、目的と制限)=ゲーム
● 人間の行為● 条件


 
歩く、走る、はう、泳ぐ、静止する
くぐる、渡る、またぐ、跳ぶ、登る
下りる、立つ、寝る、転がる、伸びる
















 

手、足、口、頭、体全体等の各部位
言葉、思考

石、草、木、水、竹、土、砂、斜面
雨、雪等

縮まる、ひねる、曲げる、腰掛ける
座る、ぶら下がる 等












 
新聞紙、ロープ、タオル、風船、紙
ボールなどの遊具、クレヨン、鉛筆
マジックインキ、いす、机、棒、板
紙テープ、トイレットペーパー、糸
輪ゴム、空缶、帽子、ハチマキ、本
座布団、段ボール、空箱、コイン
マッチ、菓子、あめ、食べ物、パン
飲み物、ウチワ、クリップ、コップ
ビン、磁石、コンパス、地図、封筒
袋、皿、灰皿、楽器、割り箸、靴
スリッパ、バケツ、タイヤ、ビニル
ロウソク、懐中電灯、はさみ
セロテープ等

触る、たたく、振る、くすぐる、掻く
つつく、拍子を打つ



 
隠れる、追いかける、逃げる、倒す
捕まえる、抱く、背負う、集まる
並ぶ、はさむ、つまむ、つかむ、持つ
落とす、取る、拾う、引く、握る 等



まねをする、つられる、反対の動き
話す、歌う、伝える、聞く、嗅ぐ
見る、観察する、数える、読む、書く
覚える 等


呼ぶ、叫ぶ、どなる、泣く、笑う
驚く、目を回す、呼吸する、吸う
吹く、飲む、食べる 等



体育館、教室、ホール、ロビー、和室
席に座って、立ったままで等






 
投げる、ねらう、当てる、入れる
出す、抜く、張る、伸ばす、押す
かかえる、蹴る、転がす、押さえる
踏む、送る、渡す、運ぶ、交換する
探す、奪う、集める、並べる、加える
囲む、消す、乗せる、崩す、埋める
燃やす 等
運動場、広場、林、山、川、湖、海



 

幼児、小学生、中学生、高校生、
青年、成人、高齢者等

同年齢、異年齢、親子、男性、女性
身体的特徴等


リーダーと全体、個人で、近くの人と
2〜3人で、グループとグループ
グループの代表、全体で等








 
つなぐ、破る、結ぶ、ほどく、作る、
合わせる、組み合わせる、組み立てる
描く、アイデアを出す 等





 

自由隊形、一重円、二重円、班毎の円
班毎に一列等




 
速く、いつまでも、長く、短く、遠く
近く、緻密に、正確に、バラバラに
多く、少なく、高く、低く、上手に
バランスよく、タイミングよく
テンポよく、きれいに、ユニークに等

 
ゲームの作り方
 
1.比較の原理からゲームを作ります
 2つ以上のものを比較させるとゲームができる。
 
2.ゲーム遊びの条件を変化させることから作ります
 基本行為+条件         =ゲーム遊び
  走る   スタートからゴールまで
       合図で同時に出発
       速い方がよい
 
3.ゲームの特性に当てはめて作ります
@ とらえる・つかまえる
A.人が人を捕らえる(鬼ごっこ)    D.人が影を捕らえる(影踏み)
B.場所が人を捕らえる(トンネル落とし)E.指が指を捕らえる(指相撲)
C.人が物を捕らえる(キャッチボール) F.その他          
A 取る・選ぶ
A.人が物を取る(カルタ)       D.人数よりも少ないものを競う
B.人が人を取る(はないちもんめ)    (椅子とり)        
C.人が場所を取る(陣取り)      E.その他          
B 当てる・命中する・入れる
A.物に物を当てる(卓球)       D.人が物を当てる(くじ) 
B.物を物に入れる(ゴルフ)      E.人が人を当てる(かごめ)
C.物を人に当てる(ドッジボール)   F.その他         
C 見つける・探す・発見する・気がつく
A.人が人を見つける(かくれんぼ)   D.気が付く(ダルマさんが転んだ
B.人が物を見つける(宝探し)     E.その他(なぞなぞ、しりとり)
C.違いを見つける(背比べ)
D 従う・まねる
A.つられる(命令ゲーム)       B.まねる(円盤体操)
E 移動する・渡す・運ぶ
A.人が移動する(かけっこ)      C.言葉を移動させる(伝言ゲーム
B.物を移動させる(玉転がし)     D.その他           
F 持続する・耐える(にらめっこ、我慢比べ)
G 変化する・増減する(玉入れ、仮装遊び)
H 表現する・創作する(早口言葉、創作ゲーム等)
I 予測・推量・あてずっぽう(ジャンケン)
J 困難さ・器用さ(グーパー)
K ぐるぐる回り・平衡感覚のアンバランス(宇宙遊泳ゲーム)
L グループ解決・人間関係のかかわりあい(紙切り合わせ)
4.ゲームを構成している要素を変化させ、ゲームを作ります
 既製のゲーム→基本要素の変化         =新しいゲーム
       人数を変化する(チームへ、代表者へ、個人へ)
       人間の部位を変化する(手、足、口、声、体全体へ)
       場的変化する(直線的に、曲線的に、制限を変える、順番を変える)
       道具や用具を変化する(ボール、ハンカチ、紙)
       意味の置き換え(他の言葉にする、逆にする)
       動的変化(動いて、止まったままで)
       他のゲームと合体する
       別領域の付加(音楽、演劇、体操、治療)
       目的を強化する
 
5.既製のゲームから構成要素を取ってしまい、別の要素を付け加えます
 既製ゲーム−構成要素(+別の要素)=新しいゲーム
        ルール、
        用具
        動作、
        人間の部位
        場的要素
 
6.素材や用具、場所を元にゲームを創ります
 一つのテーマから、素材と用具を元にルールを考えてゲームを創作します。
・ そのゲレンデを生かせばどんなゲームができるか考えます。
・ 用具の特徴から何ができるかを考えます。
 
7.人間交流に不足しているものを探して、ゲームを創ります
 何のためのゲームかをしっかり持っておく必要がある。
・ ラポート作りのゲーム
・ 交歓のためのゲーム(ふれる、見つめる、当てる、まねる)
・ 集団活動のためのゲーム(連合、協同)
 
創作ゲームの検討
 @ ゲームは十分おもしろいか
 A ルールは複雑すぎないか
 B 目標達成に効果があるか
 C 簡単にできるか
 D 創造性はあるか
 E さらに発展できるか
 
 
ゲーム創作ワークシート
 
ゲーム名(              ) 作成者名(             )
コンセプト
(どんなゲームを創りたいのか)


 
期待すべき効果



 
基本の行為・ゲームは



 
ゲームの達成目標は

 
(ゲームの特性)
 

条件を設定する
ゲームの用具ゲームの場所ゲームの形態ゲームの隊形対象者 構成

 

 

 

 

 

 
(特徴)




 
(特徴)




 
(特徴)




 
(特徴)




 
特徴)




 
行為、達成目標、条件をつなぎ
あわせて考えられる具体的項目












 
ゲームのやり方













 



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