1−2.ドラマキャンプをしよう
 
 子どもたちは、楽しいキャンプを望んでいます。そこで勧めたいのがドラマキャンプです。ドラマキャンプは、子どもたちが主役になるのはもちろんのこと、スタッフも主役になるキャンプです。
 
ドラマキャンプとは
 
 ドラマキャンプは、キャンプの中で行われるそれぞれの活動を一つのストーリーによってつなぎ、キャンプ全体をドラマ(物語)にしてしまいます。キャンプのフィールドが舞台であり、子どもたちが物語の主人公となります。スタッフも登場人物として、あるいはその物語を支え、演出していくものとして活躍します。一人一人の行動がストーリーの流れを決め、みんなで一つのドラマを作り上げます。
 
ドラマキャンプの特徴
 
@ キャンプの中で行われる一つ一つの活動が、設定されたストーリーによって一連のつながりを持ち、キャンプ全体が一つのドラマになります。
A ドラマの世界では、自主的に活動するという心理的な主役だけではなく、参加者がドラマを進めていく上での登場人物としての主役になります。
B 参加者もスタッフも、みんなが同じ世界に住み、みんなでドラマを作り上げていくという一体感があります。
C ドラマの世界に入り込むことで、ごっこ遊びの楽しさがあり、夢中になることができます。
D ドラマの中の役柄を演じることにより、変身願望を満足させ、日頃はできないことに挑戦でき、新しい自分を発見することがで きます。
E キャンプのねらいをテーマとしたストーリーを設定することにより、単なる題目ではなくねらいが実感でき、達成しやすくなります。
F ドラマキャンプはロールプレイであり、楽しさと役割効果による人間開発が期待で きます。
 *ロールプレイ……ある場面、役割を演じることで心理的改善を行う精神療法。
 *役割効果…………演じている役割と同一化していく働き。
G スタッフにとっても、ドラマの世界を作り上げていく楽しさや、ドラマを進行していく上でのキャラクターとしての楽しさがあります。
 
これがドラマキャンプだ

 森の仙人から招待状を受け取ったわんぱくたちがネバーランドにやってきました。開村式では、ピーターパンとティンカーベルが生活の仕方や遊び方を話しています。ところが、薪がなくなってしまうという事件が発生したのです。
 ネバーランドは、子どもたちの国です。わんぱくたちは、森で薪を集めて夕食を作ったり、自分たちで考えた遊びをしました。夜になると、森の仙人である善養院が現れ、「夜と友達になろう」と呼びかけてきました。わんぱくたちは、『カメレオン』というネイチャーゲームで夜の楽しさを発見したのです。
 二日目の朝がきました。ところが、水道から水がでなくなるという事件がまた起こったのです。わんぱくたちは、みんなで協力して山の上にある水場まで水をくみに行き、朝食を作りました。今日は、子どもたちの力でわんぱく共和国を作ります。ある子どもたちは丸太を使って、小屋を造りました。別の子どもたちは、お好み焼きやドーナッツを作っています。水鉄砲を作ったり、服を作ったり、竹で水道を山の上から引いたり、森の中を冒険している子どもたちもいます。それぞれの活動では、ネバーランドの精霊たちが現れて助けてくれました。夜になると、わんぱく共和国ができあがったお祭りです。ティンカーベルが持つ聖火が薪に移され、にぎやかにキャンプファイヤーが行われました。
 三日目の朝、大事件が持ち上がりました。ティンカーベルがさらわれてしまったのです。どうやら悪漢フック船長とその手下の仕業のようです。フック船長の居場所は、宝箱の中にあります。わんぱくたちは、迷路を通ったり、担架を作ったり、自然の中においてある人工物の数を数えたり、水鉄砲でフック船長の手下から宝箱の鍵を集めました。
 やっと地図を手に入れたわんぱくたちは、フック船長の元へと向かいました。ところが、様々な罠が仕掛けられているのです。仲間と知恵を出し合い、協力していくことでわんぱくたちはフック船長の隠れ家へとたどり着いたのです。いよいよ対決の時です。わんぱくたちはみんなでフック船長の嫌いな時計の音をまねて叫んだり、全員で大きなワニの形を作ったりして攻撃します。そのとき、海苔の仙人善養院が現れ、「フック船長をやっつけるのではなく、よい心を取り戻させることが大事だ」と告げたのです。わんぱくたちの心を一つにした祈りで、フック船長がよい心を取り戻したとき、ティンカーベルが生き返り、ネバーランドに平和が戻ってきたのです。
 



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