5−12.歌
 
 歌はつどいの主力です。歌の持つリズムによって理性を抑え、感情を前に押し出し、我を忘れて仲間と共に楽しみます。
・ 共に歌うことにより、一体感を感じます。
・ 一人よりも二人と、多くの人々の声を合わせて大きな力を出します。
・ ハーモニーを楽しみ、”異質の協力”のすばらしさを味わいます。
・ 心を揺り動かし、新しいエネルギーを生み、生きる喜びを作ります。

 
【歌のポイント】
@ 共に歌うことのできる歌を大切に……聞かせるのが目的ではなく、共に歌うことが大切です。そのためには、易しい歌、よく知っている歌が基本です。
A その場に合った歌を歌おう……場所、季節、時刻、メンバー等に会わせて歌います。一歩前に、その季節を呼ぶようにすると効果的です。
B 胸を張って歌おう……胸を張って、腹の底から大声で歌います。
C いろんなものを動員しよう……楽器を演奏する。ハーモニーを楽しむ。手拍子でリズムにのる。作詞や作曲をする。できるものはみんな動員します。
D 歌で動かそう……「集合!」と呼ぶ代わりに”あつまれ”や”大きな歌”、テーマソング等を歌い出すことによってプログラムを動かします。
E 生活の中で伝えよう……炊事をしながら、班活動のときに、山歩きをしながら、口移しで伝えていきます。
F テーマに迫ろう……テーマに迫り、心や思想を伝えていきます。テーマソングやメッセージソングを大切に。
G 新しい歌で勝負……時代に合わせて、新しい歌やよく知られてない歌等を発掘していきます。
H オリジナルを創ろう……自分たちの歌は、自分たちで作ることに挑戦します。そして、仲間の中に広げていきます。
 
【テーマソング】
 テーマソングはつどいを盛り上げ、集った人の心を一つにします。つどいでのテーマソングは、「共に歌える」ことが大切。そのためには、歌いやすいことが条件です。また、その詞は、つどいの願いを象徴するものを。
@ 最初は、そのつどいにぴったりの歌はないか探してみます。
A よりぴったりにするために、歌詞を少し変えてみます。(地名やつどい名、主催者名、キャッチフレーズ等を組み込めないか)
B よい曲に、そのつどいのための詩を作る。(曲だけ借りて、つどい用の詞をつけます)
C そのつどいのために、作詞・作曲をします。

【支援のポイント】
@ 歌う気にさせよう……歌って聞かせるか、うまい人に歌ってもらい、歌のすばらしさを伝えます。
A 十八番で入ろう……導入は自分の得意な十八番で入ります。
B 初めの声、出だしの合図、終わりの合図をしっかりと……共に歌うためには必要です。ポイントは、出だしの音の高さと合図、シメの合図です。体全体を使って合図を送りま す。
C 詩を読み切って、詩を読ませて……詞の感情を出すためには、詞を読み切ります。スタッフがコールできる位読み切るのはもちろんですが、メンバーにも詩を理解させて歌 わせます。
D 手に歌わせる……音階、リズムはもちろん、詩の心を手で表せるようになると最高です。
E 語り考……歌を使って伝えようとするメッセージを伝えるために語ります。短く、心に響くように。
 
【支援の心得】
@ 詩は暗譜しておきます。
A みんなからよく見え、よく聞こえる位置に立ちます。
B みんなの顔を見ながら歌を伝えます。
C 自分を崩さず伝えます。
D 忍耐強さも必要です。
E 得意な歌を持っておきます。
F まず自分が歌うことを楽しみます。
G できるだけほめます。
H できるだけ歌詞や楽譜を見ないようにします。(少し前にコールするとよい)
I 出だしの音、出だしの合図、終わりの合図をきちんと出します。
J 高すぎず、低すぎず、丁度よい音域で歌います。
  速さは、心臓の拍動を基準にします。
      ・速い(軽快で快活)  ・遅い(のんびりとした穏やかさ)
  高さ……・高い(気分が高揚)  ・低い(沈んで落ち着く)
  強さ……・強い(心が晴れ躍動的)・弱い(歌の心を深く訴える)
K その曲の難しい所を、いち早く見つけます。
L かつて感動した歌い方を参考にします。
M 時や場面、場所に応じた歌を選び出せるようにしておきます。
N ハーモニーや輪唱、二部合唱等を楽しみます。
 
【発声の仕方】
  腰から胸を上げるつもりで        おなかの中から歌います
  力を入れない              目がものを言うように 
  あごの力を抜きます           笑顔で歌います    
【指揮の仕方】
@ きちんと覚えてから綿密に。そうでないときは、あまりていねいにやり過ぎない。
A あまり派手にならないように。
B 曲の一拍前の動作から入ります。(4/4拍子で1拍目から始まるときは、4拍目に手をおいておきます)
C 曲の一拍前に「はい」と、出だしの合図をします。(4/4拍子で1拍目から始まるときは、「イチ、ニィ、サン、はい」)
D 図形をたどるよりも、点を追うように。
E 慣れてきたら、高さや強さ、長さも表現します。

 
【輪唱】
 2組、あるいは3、4組に分かれて、歌い出しを次々に遅らせて同じ旋律を何回も繰り返して歌います。
・ 終わり方   歌い出したパーと順に終わります。
         フェルマータの部分をたっぷりのばして同時に終わります。
 
【二部合唱】
@ まずは、歌を1段、又は1節ずつ交互に歌う交互唱を楽しみます。
A 次に一部分だけ(特に終わりの部分で)を二部、三部にして歌います。
B 全体にハーモニーをつけ、二部合唱にして歌います。
 
【楽器】
@ 持ち運びに便利なもの。
A 演奏が比較的易しいもの。
B 値段が余り高くないもの。
C 和音伴奏ができるもの。
* 楽器がないときは、手拍子や木をたたいたりして伴奏をつけるとよいでしょう。
 
【準備物】□必要に応じて楽器
【歌の支援法】
@ 歌の紹介……歌について、魅力的な紹介をします。
A 歌って聞かす……一通り歌ってみせて、どんな歌かを知らせます。
 ・ 知ってる人がいれば一緒に歌ってもらいます。
B 歌詞と歌い方の説明……少し長い曲は、歌詞を読み、内容と歌い方を説明します。 
 ・ 譜面より、大きな紙に書いた方が分かりやすくなります。
C 練習……少しずつ区切って練習します。
 ・ 簡単な歌は、区切らずに全体を繰り返し歌って覚えさせてもよい。
D 特におかしいところを直す……楽しさに重点を置き、あまり専門的にならないようにします。
E 歌う……雰囲気によりテンポを変えたり、即興的に歌詞を創作するとよい。
 ・ 繰り返し、いろいろな場面で歌います。
 
【ソングパーティーの展開】
@ 導入
 みんなの知っている歌で声を慣らし、ムードを作ります。
A 開会のあいさつ
 歌やハミングにのせて開会のあいさつをします。
 ・ ようこそ、今日のテーマ、今日のお楽しみ等について
B 盛り上げる
 みんなが知っている歌をどんどん歌います。
C 新しい歌
 みんなが歌えるまで練習し、仕上がったら歌い込みます。
D ティータイム
 お茶やお知らせ(会のPR、参加者のPR等)、リクエストを受けつける時間とします。
 ・ チャレンジコーナー(新しいリーダーや前に出たい人に時間を提供します)
E リクエストコーナー
 リクエストした人をリーダーにして歌います。
F フィナーレ
 静かに持って行くか、元気一杯で終わるか。
 ・ 新しい歌やテーマ曲をもう一度
 ・ 伴奏者、受付、参加者全員へ感謝の拍手
 ・ 歌にのせて結びの言葉
 ・ 次回の予告、片付け
* 開始前にも、早く来た人に歌を伝えます。
* 歌だけでなく、踊りやゲーム、劇、紙芝居等も取り入れます。
* 歌いながら休ませます。



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