5−15.人間開発
 
 生きることへの意欲を高め、自己理解を深め、自己開示能力や自己主張能力、価値観を学習し、パーソナリティーの変容を体験学習を通して学びます。
 
【キャンプ活動を人間開発学習にする方法】
 集団で行うキャンプでの活動は、それ自体グループワークとして人間を成長させる力をもっています。それをさらに効果的な“人間開発学習”のプログラムにするためには、活動の後でフィードバックを行います。
          活動+フィードバック=人間開発プログラム
 
【フィードバックのポイント】
@ どのような方法で、どのように進めたのか。
A メンバーは、何を感じ、どんなことを発言したのか。どんな影響を与えあたのか。
B 各メンバーはどのような役割を果たしたのか。
C お互いにコミュニケーションがうまく働いたのか。
D お互いにどのように影響しあったのか。
 
人間開発プログラムのいろいろ
 
1.自分や他人を知る……自分自身を知る、他人を知る、自己を開く、自己表現をする
2.対人関係の方法………感受性、交わる(コミュニケーション)、協力
3.グループの動き………協力(集団思考、集団で創作、メンバーの動き)
4.創造力を養う…………アイデアを出す、創造する、組み立てる、直観やかん、知識量を増やす、作戦を練る、偶然を求める
 
【自分自身を知る】
 自分はどういう人間であるのか、自己理解を深めます。
☆ わたしは誰でしょう
 「わたしは誰でしょう」というテーマで20項目カードに書き出します。記入後、書き出してみての感想を述べ合います。
 
【他人を知る】
 相手を知ろうとすることによって、人間関係が始まります。
☆ 後ろの目
@ 歌に合わせて自由に歩き回り、すれ違う人の服や髪型等をよく見ます。
A 音楽が止まったら、近くの人と2人組で背中合わせになり座ります。
B 交替で、相手の外見について見た記憶をたどって話し合います。
C 音楽がかかったら、再び歩き始めます。

【自己を開く】
 他者とのふれあいの中から自己を開くようにします。
☆ 友達紹介
 2人一組を作り、お互いに相手のことをいろいろ質問します。そして、みんなに向かって相手のことを紹介します。
 
【自己表現する】
 自分の考え方、感じ方、欲求、価値観を他者にたいして表現します。
☆ 無人島
 乗っていた船が遭難して、食べ物と水しかない無人島に流れついたとき、最も大切だと思うものをリストの中から8つ選んでグループで順番を決めます。
(リスト)マッチ、ナベ、望遠鏡、おの、ナイフとフォーク、ウイスキー、ロープ、海図、テント、毛布、時計、ラジオ、裁縫道具、カメラ、タオル、鉛筆と紙、薬
 
【感受性】
 他者と対等な立場で接し、援助的人間関係を形成します。
☆ ブラインドウォーク
 2人組で片方の人は目隠しをします。もう一方の人は、目隠しした人が安心できるように歩きます。
 
【交わる/コミュニケーション】
 お互いの独自性を尊重しながら、他者との関わり方を学びます。
☆ メッセージ
 2人1組になり、紙に書かれたメッセージを言葉を使わないで身振り手振りで相手に伝えます。
 
【協力】
 協力とは、目的達成のために2人以上の人が力を合わせることです。
☆ ノンバーバルクラフト
 新聞紙、画用紙等の材料を使って、言葉を一切使わないで指定されたテーマーを表すものを作ります。
 
【アイデアを出す】
 固定的な観念から離れ、メンバー一人一人の体験や知識、思考、イメージ等を出し合うことにより多くのアイデアを出すことができます。
☆ ユーモアブレーンストーミング
 出された課題に対して、ユーモアを盛り込んでできるだけ多くの答えをグループで考えます。
(課題の例)
・たらないものは・変わりやすいものは・世にも不思議なものは・信用できないものは

【創造する】
 創造性とは、新しい意味・価値を創り出すことですが、素材を組み替えたり、結合したり、分解したり、一人一人の思考力を結集することによって出てきます。
☆ リサイクルゲーム
 古新聞の再利用や用途について、グループでブレーンストーミングを行い、より多くのアイデアを書き出します。
 
【組み立てる】
 バラバラな素材を結合させることは、創造の基本となります。
☆ 復元作業
 バラバラにちぎった新聞紙をもとの形に復元します。
 
【直観・かんを求める】
 直観思考は、テーマに対して潜在意識の中にある記憶が速い速度で結合され選択される機能です。
☆ 動物あわせ
 バラバラな文字カードを組み合わせて、動物の名前を作ります。
(例)ね、き、の、る、た、ぎ、き、こ、う、ね、う、つ、さ、ま、い、し、ぬ、し、さ   解答/ねこ、さる、たぬき、きつね、うま、いのしし、うさぎ
 
【知識量を増やす】
 何もないところから何かを生み出すことはとても困難です。創造は過去の体験や知識がもとになります。多くの人が集まればそれだけ多くの知識が集まります。
☆ スリーヒントゲーム
 カードに書かれた三つのヒントを見て、正解を当てます。
(例)・おばさん、みちくさ、狼/赤ずきんちゃん
 
【作戦を練る】
 問題を解決するためには、メンバーの個性や能力を認識し、解決のポイントをつかむことが必要です。
☆ 森林グループワークゲーム
 森林の中にセッティングされた昆虫カードを集めたり、ポストを見つけてそこに書かれた記号を写したり、クイズカードに答えたり、指示書カードに書かれた課題を解決して行きます。
 
【偶然を求める】
 祈る、願うという情緒性のレベルは、メンバーの共通意識を高めます。
☆ サイン集めゲーム
 ジャンケンをして、勝った人は負けた人からサインを書いてもらい、グループでよりたくさんのサインを集めます。



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