トーチの作り方
 
1.トーチの材料
・木の棒……直径3〜4cm、長さ1〜 1.2m(竹でもよいが、枯れたものは不可。節は必ず抜いておきます)
・布…………木綿(化繊は不可)。タオル1/2〜1枚
・針金………50cm位のもの(H22位)2本。
 
2.トーチの作り方
タオルを内側に包むように三つ折りにします。三つ折りにした外側の端が上にくるようにしてタオルを棒に巻いていきます。上と下2カ所を外れないように針金でしっかり止めます。


3.灯油のつけかた
 直前に灯油を浸すと流れ落ちることがあるので、事前に浸します。布の部分の1/3〜
1/2位浸し、布を下にして立て掛けておくと全体にしみ渡ります。灯油が多すぎるようだったら、新聞紙で軽く絞ります。   
 
4.トーチのもち方
 ・ トーチは両手で持ち、斜め前方に掲げます。
 ・ 点火係とファイヤーキーパーは、ファイヤー場から30〜50m離れた見えない場所で待機し、合図があったら、火をつけて入場します。
 ・ 点火するときは、トーチを両手で持ち、片膝をついて火床にトーチを入れ手、トーチはそのままおいて帰ります。

 
点火の演出
 
1.火の呼び方 
@ 歌による方法
 導入に用いる歌を決めておいたところまで歌ったとき(歌が終わったときやハミングになったとき等)、点火係が入場したり、仕掛けを使う方法では点火します。
A 合図による方法
 営火長またはエールマスターの合図(「ファイヤー」等の叫び声)によって、点火係が入場します。
B ファイヤーエコーによる方法
 営火長またはエールマスターの「マリオハカー」という呼び声に応えて、四方に隠れているやまびこ係(点火係やファイヤーキーパーが兼ねてもよい)が順番に「エーラン、エーラン」と叫び、最後の「エーラン」を聞いて、点火係が入場します。
* 2回目に「エーラン」と叫ぶとき、ファイヤー場と反対を向いて叫ぶと声が遠ざかり 効果的です。
ファイヤーエコーを聞く

C 祈りによる方法
 中央の火床の前に薪を利用した祭壇を設け、両脇には木の枝を立てます。巫女姿の女性(あるいは仙人や山伏姿の男性)が、厳かに入場し、枝を振りかざし、その枝を祭壇に供えて祈りの声をあげたときに点火係が入場します。
 
2.点火の方法
 A.人が運び込む
@ 1人の点火係/基本
 一人の点火係により、トーチ入場を厳粛な雰囲気の中で行います。入場して来たら、人の輪の中に入り、円に沿って営火長の前まで進み、「点火の言葉」を述べた後、営火長の「点火」指示により、さらに円に沿って進み、南側からトーチを両手で持ち片膝を地面につけて火床の中にトーチ棒を入れて点火します。点火後はトーチ棒は火床の中に入れたまま円の外に出て、自分の班に戻ります。
 2人の点火係……二方向から入場し、東西から点火します。
 3人の点火係……三方向から入場し、東西南から点火します。
 4人の点火係……四方向から入場し、東西南北から点火します。

 
A 女神による点火
 白い布を身にまとい女神に扮した女性(仙人に扮した男性)が、トーチを持って入場。ゆっくりと全員の前を一周し、営火長の合図で厳かに点火します。
B インデアン方式
 営火長の「ファイヤー」の声に応じて、四方に隠れているインデアンが「ファイヤー」と叫び、参加者の手拍子によるインデアンリズム(パン パッパッパッ パン パッパッパッ)に合わせて、「あわわわ あわわわ……」と奇声を発しながら躍り込み、四方から点火します。
C トーチサービス方式
 大きな丸太で組んだ井桁の中へ、各グループからトーチを持って行進して来て、投げ込み点火をします。
【火の神の舞】
 点火した後、火の神が「ズンバ、ズンバ……」と言いながら入場し、火床の前でひざまずき木の枝のつえを両手に持って上下しながら、「アレー、アレー……」と祈りを捧げ、薪に火がついたら「カッ!」と気合をかけた後、退場します。
* 灯油に浸した布をナイロン袋に入れたものを持っておき、薪に火がつきにくいときに は祈りのときにそっと火床に投げ入れてやります。
 
 B.仕掛けによる方法
 仕掛けによる点火は、仕掛けも大切ですが、「あっ」と驚かせる演出が必要です。
@ 空中ケーブル落下方式/火矢
 針金を張り、火をつけた火矢をつるして、火床の中へ飛び込ませ点火します。
 ・ 針金の太さは20m位までは普通の針金でいいが、長い場合は3〜5mmの太さにします。
 ・ 勾配を急にしておき、針金と火矢は20cm以上はなします。
 ・ 火矢が火床の薪に当たって跳ね返らないようテストしておきます。
A ニクロム線点火式
 ニクロム線の発熱により、灯油をしみこませた布に点火します。
B フラッシュ点火式
 ニクロム線の代わりに、ガラスを取り去った写真用のフラッシュバルブを用います。
C ロウソク点火式
 ロウソクを缶で隠しておき、引っ張り出して点火します。       

 
ファンタジックファイヤー
 
 ファンタジックファイヤーは、火をより美しく見せるためのテクニックです。しかし、単に“きれいだから”やる……というのであれば、準備や後始末が大変であり、また危険を伴うこともあるのでやるべきではないでしょう。しっかりとした目的を持って実施します。
 
【ファイヤースティック】
 短めのトーチ棒にクギをさし、人差し指と中指で挟むようにして持ちます。危険ですので、十分練習してから行いましょう。
端にクギをさす 指で挟むように持つ
 
 
【火文字】
 金網に灯油を浸した布(脱脂綿、荒縄等)で文字を作り、それに火をつけます。
 【ファイヤーロード】
 空き缶に灯油を浸した布を入れ、ファイヤー場への道に並べ照らします。

 
【カラーファイヤー】
 灯油の代わりに、アルコール(メチルアルコール等)に金属粉等を混ぜたものを使い、カラーの炎を出します。
 緑(銅粉) 橙(食塩) 青(アルコールだけで)

トーチサービス
 
 今、まさにみんなで燃やした火が大地に還ろうとし、それぞれの心に何かを語りかけようとするとき、全員がトーチを掲げ再び明々と照らし出すことは、終わりに向かう雰囲気を壊してしまいます。また、何十人もの人がトーチを燃やすことにより、資源を浪費するだけでなく、森の動物たちにとっても不要に大きなインパクトを与えてしまいます。したがって、何か特別な目的がない限りトーチサービスはすべきではありません。
 キャンプファイヤーは、大きな一つの火をみんなで囲むところに意味があり、トーチを焚くよりも心を見つめさせ、仲間との固い握手を交わすことによって心の中へ分火させ、トーチサービスに代えたい。
 
【ねらい】
 「このキャンプで手にしたものを、それぞれの日常生活の中へ広げていってほしい」というねらいの元で、消えゆくファイヤーから採火し、メンバー全てのトーチに分火します。
【準備物】
 ・トーチ棒……人数分+予備(5本位)  ・灯油…………トーチ20本で、 1.8 
*ミニトーチ……安全のために、30〜50cmの棒に小さな布を巻いたトーチを作ろう。
【トーチサービスのプログラム】
 キャンプファイヤーの第三部で行います。
@ トーチ配布……歌等のときに、トーチ係が配ります。又は、サークルを回して、一カ所で渡します。
A 営火長採火……中央に進み出て、小さくなったファイヤーからトーチ棒に採火します。
B 各班の代表へ分火……円内に1歩入り、営火長がトーチに分火します。このとき、火をもらった代表は、献詞を述べます(献詞が終わった合図に、自分の名前を言います)。 または、営火長の前に並びます。
C 全員へ分火……代表の人は後ろ向きで円に戻り、両隣の人に分火します。火をもらっ た人は隣へ分火していきます。
 ・ 分火の方法は、火のついてないトーチを、火のついてるトーチの上に持ってくるようにします。
 ・火のついたトーチは斜め前方に掲げ、お互いの間隔を十分取ります。
D 営火長・結びの言葉……参加者へこれからの願いを短く述べます。
 ・ 採火したときに述べてもよい。
E 退場……終わりの歌を歌いながら退場します。
 
【トーチ棒を始末する方法】
@ その場で始末する
 トーチ棒を地面に置き、少し離れた所(できれば小高い位置)から火の輪を眺めます 。
 ・ トーチ棒は、そのまま地面においておくと早く火が消えます。参加者が見えなくなって、火が消えてからトーチ棒は始末します。
A 各班に持ち帰って、グループファイヤーを行う



前のページへホームページへこの章の目次へ次のページへ